中村祐介ブログAXIS|Yusuke Nakamura's Blog

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生ハムとクレソン

 仕事をしていると、自分とは価値観の異なる人と出会うことは多々ある。その価値観の異なる中で円滑に仕事をしていくには、お互いがお互いを尊重しあうしかない。それでもどうしても無理、という人であればそれはもう縁がなかったとあきらめるしかない。先日もそんな悔しい思いをした後に、景気づけとスーパーでつまみを買ってきた。生ハムとクレソンである。

 僕は生ハムが好きで、自宅でも食べるのだが、種類によっては塩気が強すぎる。赤ワインと共に食べてでも、強く感じることがある。そんなときは、生ハムをバゲットに載せて食べてみたりする。ポテトサラダをバゲットと生ハムの間にいれてもいい。ポテトやパンの力で塩気が薄れる。

 バゲットほどは食べきれないという時は、つまみとして食べたいのだが、どうしても塩気の強さが気になる。試しにレタスをはさんでみたり、チコリをはさんだりしてみたが、森下の『山利喜』で「生ハムとクレソン」を頼んでから、生ハムにはクレソンだという結論に至っている(http://www.memento-moment.com/article/8141)。

 クレソンは、ヨーロッパ原産のアブラナ科の多年草だ。辛味が強く、香りも強い。苦手な人も多いだろうが数本のクレソンを生ハム1枚で巻いて食べるとなんとも清涼感がある。生ハムのしっとりとした歯触りの後、シャクッというクレソンの歯ごたえが重なり、口の中で咀嚼をしながらピノノワールあたりの赤ワインを口にふくむとたまらない。

 僕はクレソンの茎が好きなので、茎を食べ終えた後、葉を巻いていくのがあまり面白くない。仕方がないので、茎と葉のバランスを整えて生ハムに巻く。本来であれば、葉が好きな人と茎が好きな僕とで分かち合えるのが一番なのだが……同じ理由で悩ましい野菜としてはアスパラガスなどがある。もちろんアスパラガスも僕は茎が好きで芽には興味がまるでない。

 生ハムの塩気を清涼な辛味で和らげてくれるクレソンは、日本でいえば、「はじかみ」のようなものかもしれない。こってりとした食べ物に、清涼感を与えるクレソン。それは、ショウガの芽を酢漬けにした「はじかみ」に通じるものがある。

 はじかみは湯に通して軽く塩を振り、冷ました後に甘酢に漬けると、淡い紅色になって焼き魚の付け合わせ(あしらい)に使われる。箸休めや口直しの意味もあり、照り焼きなどではよく見る。このはじかみも僕は大好きで、食べない人などがいると「失礼」といってもらってしまうほどである。はじかみ好きはクレソン好きとなるわけだ。

 そのクレソンだが、重要な栄養素を多く含んでいるそうで、スーパーフードとして最近は認知度をめきめきとあげているようだ。アメリカ疾病予防管理センター(CDC)の機関誌「Preventing Chronic Disease201465日号で17種類の必須栄養素の含有量をもとに栄養素の高い果物と野菜トップ41を発表したが、その1位がクレソンだったという。

 先日『山利喜』に行ったら「クレソンが手に入らない」ということで、まさかとは思うが、人気の影響がこんな下町のもつ焼きの店にまで及んだのだろうか。やってきた生ハムとレタスのような葉物野菜の組み合わせで言われるままに食べてみたが、これでは全然生ハムと絡み合わない。落胆した記憶だけが残った。

 やはり相性というものはあり、あわないもの同士がいくら一緒になろうとしても、なかなかよい結果にはつながらない。自分の仕事でも、相手とうまくいかないときはなんとなく生ハムとクレソンを思い出したりする。

中村祐介 • 2015/11/30


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